70歳雇用の幕開け迫る

2019年5月に、政府から高年齢者雇用安定法改正案の骨格が発表されました。
これは希望する高齢者が70歳まで働けるようにするための施策です。
そして同年9月から厚生労働省で本格的な議論が開始されました。

企業の選択肢として7項目が挙げられています。

70歳までの定年延長だけでなく、他の企業への再就職の実現や起業支援などがあり、企業は努力義務として取り組むことが求められています。

7項目(案)として次のものが挙げられています。
(1) 70歳までの定年延長
(2) 定年廃止
(3) 契約社員や嘱託などによる再雇用
(4) 他企業への再就職支援
(5) フリーランスで働くための資金提供
(6) 起業支援
(7) NPO活動などへの資金提供

1〜3はこれもまでの65歳定年延長の場合と同様の方法が挙げられています。それに加えて4〜7が挙げられています。

内閣府の試算では、65歳から69歳の就業率が60歳〜64歳と同じ水準になれば、217万人就業者数が増えると見込んでいます。

これにより勤労所得は8.2兆円増え、消費支出は4.1兆円増と試算されています。

また65歳から69歳の高年齢者の65%の人は「仕事をしたい」と感じているそうですが、実際に就業している人の割合は46%強だそうです。

この改正案は2020年の通常国会での提出を目指しているようです。高年齢者の就労をとりまく環境の変化に注目しておく必要があります。

高年齢者雇用で活用できる助成金

そして高年齢者の雇用が推進されていく流れを把握しながら、助成金の活用を視野に入れておくことが重要になってくるのではないでしょうか。

例えば2019年4月からは、65歳超雇用推進助成金「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」が新設されています。

このコースは高年齢者の雇用管理制度の整備等に係る措置を講じた事業主に対して、雇用管理制度の導入等にかかる経費が助成されるものです。

他の65歳超雇用推進助成金

今後ますます、働き方改革をより推進するための助成金や、高年齢者雇用安定に向けた助成金コースの新設が想定されます。年々上がる最低賃金への対応も含め助成金をもらい活用することが経営安定の近道ではないでしょうか。