ここでは厚生労働省の雇用に関する助成金の種類について見ていきましょう。
この助成金は、雇用の促進、労働者の職業能力向上などの施策が目的とされています。

この助成金の財源は雇用保険なのです。

雇用保険は「失業手当」「失業給付金」としてよく知られていますが、もう一つの事業として雇用に関する助成金事業が営まれています。

こんなにもある雇用関係の助成金の種類

1.雇用維持関係の助成金

雇用調整助成金
 休業や、教育訓練、出向を通じて従業員の雇用を維持する

Point

事業の縮小を余儀なくされる中で、雇用の維持を図る事業主に対して助成する

2.再就職支援関係の助成金

労働移動支援助成金(再就職支援コース)
 離職を余儀なくされる労働者の再就職支援を民間職業紹介事業者に委託等して行う

労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)
 離職を余儀なくされた労働者を早期に雇い入れる

Point

事業規模の縮小等により離職を余儀なくされる労働者等に対する再就職支援を職業紹介事業者に委託したりする事業主に対する助成金

3.転職・再就職拡大支援関係の助成金

中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
 中途採用を拡大(中途採用率の向上又は45歳以上を初めて雇用)する

中途採用等支援助成金(U I J ターンコース)
 東京圏から移住者を雇い入れる

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)
 中高年齢者等(40歳以上)の方が自ら起業し、中高年齢者等を雇い入れる

Point

中途採用の拡大を通じた生産性向上に取り組む事業主への支援が目的

4.雇入れ関係の助成金

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
 高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)
 65歳以上の高年齢者を雇い入れる

特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)
 東日本大震災における被災離職者等を雇い入れる

特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
 発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れる

特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)
 学校等の既卒者、中退者が応募可能な新卒求人・募集を行い、新たに雇い入れる

特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)
 障害者を初めて雇い入れる

特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)
 十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な者を雇い入れる

特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)
 自治体からハローワークに就労支援の要請があった生活保護受給者等を雇い入れる

Point

高年齢者や障害者などの就職が特に困難な者を、ハローワーク等の紹介で継続して雇用する労働者等として雇い入れる事業主に対して助成される

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
 安定就業を希望する未経験者を試行的に雇い入れる

トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)
 障害者を試行的・段階的に雇い入れる

トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)
 建設業の中小事業主が若年者(35歳未満)又は女性を建設技能労働者等として試行雇用する

Point

職業経験、技能、知識の不足等から安定的な就職が困難な者を、ハローワーク等の紹介で一定期間雇用する事業主に対して助成される

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
 雇用情勢が特に厳しい地域で、事業所の設置整備をして従業員を雇い入れる

地域雇用開発助成金(沖縄若年者雇用促進コース)
 沖縄県内で事業所の設置整備をして35歳未満の若年者を雇い入れる

5.雇用環境の整備関係等の助成金

障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)
 障害特性に応じた雇用管理・雇用形態の見直しや柔軟な働き方の工夫等の措置を講じる

障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)
 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を実施する

Point

障害特性に応じた雇用管理・雇用形態の見直しや柔軟な働き方の工夫等の措置を講じる事業主に対して助成される

障害者作業施設設置等助成金
 障害者の障害特性による就労上の課題を克服する作業施設等を設置・整備する

障害者福祉施設設置等助成金
 障害者の福祉の増進を図るための福祉施設等を設置・整備する

障害者介助等助成金
 障害者の雇用管理のために必要な介助者等を配置または委嘱する

重度障害者等通勤対策助成金
 障害者の通勤を容易にするための措置を実施する

重度障害者等多数雇用事業所施設設置等助成金
 重度障害者を多数継続雇用する事業施設等の整備等を実施する

Point

障害者の雇用促進、雇用継続を図ることを目的としている

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
 評価・処遇制度や研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間制社員制度を整備する

人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)
 介護労働者のために介護福祉機器の導入を行う

人材確保等支援助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)
 介護労働者・保育労働者のための賃金制度の整備を行う

人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)
 事業主団体が中小企業の人材確保や労働者の職場定着を支援する

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)
 人事評価制度と賃金制度を整備し、生産性向上、賃金アップ、離職率を低下させる

人材確保等支援助成金(設備改善等支援コース)
 生産性向上に資する設備等を導入することにより、雇用管理改善(賃金アップ等)と生産性向上を図る企業を支援する

人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)
 働き方改革を取り組む上で、人材を確保することが必要な中小企業が、新たに労働者を雇い入れ、一定の雇用管理改善を図る

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース(建設分野))
 建設業の中小事業主が、雇用管理改善の導入・実施を通じて若年者及び女性の入職率に係る目標を達成する、または雇用する登録基幹技能者の賃金テーブル又は資格手当を増額改定する

人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野))
 建設業の事業主等が、若年及び女性労働者の入職や定着を図ることを目的とした事業を実施する、または建設工事における作業についての訓練を推進する活動を実施する

人材確保等支援助成金(作業員宿舎等設置助成コース(建設分野))
 建設業の中小事業主等が、被災三県に所在する作業員宿舎、作業員施設、賃貸住宅を賃借する、または自ら施工管理する建設工事現場に女性専用作業員施設を賃借する等

通年雇用助成金
 季節労働者を通年雇用する

Point

魅力ある職場作りのために労働環境の向上等を図る事業主や事業協同組合等に対して助成される

65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)
 65歳以上への定年引上げ等を実施する

65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)
 高年齢者の雇用管理制度を整備する

65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)
 高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換する

Point

65歳以降の定年延長や継続雇用制度の導入を行う企業等に対して助成される

キャリアアップ助成金(正社員化コース)
 有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用する

キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)
 すべてまたは(雇用形態別等)一部の有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など)の基本給の賃金規定等を改定し、2%以上増額させる

キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)
 有期契約労働者等を対象に「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施する

キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)
 有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を作成し、適用する

キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)
 有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用する

キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)
 労使合意に基づく社会保険の適用拡大の措置により、有期契約労働者等を新たに被保険者とし、基本給を増額する

キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)
 短時間労働者の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用する

Point

有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者のいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップを促進する取組を実施した事業主に対して助成される

6.仕事と家庭の両立支援関係等の助成金

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)
 男性の育児休業等取得推進に取り組む

両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)
 中小企業が仕事と介護の両立支援に取り組む

両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
 中小企業が労働者の円滑な育児休業取得・職場復帰に取り組む

両立支援等助成金(再雇用者評価処遇コース)
 育児・介護等を理由とする離職者を再雇用する

両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)
 300人以下の中小企業が女性が活躍しやすい職場環境を整備し、目標を達成する

両立支援等助成金(事業所内保育施設コース)
 事業所内保育施設を設置・増設・運営する

Point

労働者の職業生活と家庭生活を両立させるための制度の導入や、事業内保育施設の設置・運営、女性の活躍推進のための取組を行う事業主に対して助成される

7.人材開発関係の助成金

人材開発支援助成金(特定訓練コース)
 OJTとOff-JTを組み合わせた訓練、若年者への訓練、労働生産性向上に資する訓練等を実施する

人材開発支援助成金(一般訓練コース)
 職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施する

人材開発支援助成金(教育訓練休暇付与コース)
 有給教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得する

人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)
 有期契約労働者等(契約社員・パート・派遣社員など)に対して職業訓練を行う

人材開発支援助成金(建設労働者認定訓練コース)
 建設業の中小事業主等が認定訓練を実施する、または建設業の中小事業主が建設労働者に
有給で受講させる

人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)
 建設業の事業主等が建設労働者に有給で技能実習を受講させる

人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)
 障害者に対して職業能力開発訓練事業を実施する

Point

雇用する労働者に職務に関連する知識や技能習得をさせるための職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や賃金の一部が助成される

8.その他「労働条件等関係助成金」として以下の助成金コースがある

※「時間外労働等改善助成金」は、令和2年4月1日以降に「働き方改革推進支援助成金」に名称変更されました。

  業務改善助成金
   事業場内で最も低い労働者の賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行う

  働き方改革推進支援助成金 時間外労働等改善助成金
   (1)時間外労働上限設定コース
   (2)勤務間インターバル導入コース
   (3)職場意識改善コース
   (4)団体推進コース
   (5)テレワークコース(令和2年8月12日で受付終了)

  受動喫煙防止対策助成金
   職場での受動喫煙を防止するための対策を行う

  産業保健関係助成金
   (1)ストレスチェック助成金
   (2)職場環境改善計画助成金
   (3)心の健康づくり計画助成金
   (4)小規模事業場産業医活動助成金
   (5)治療と仕事の両立支援助成金

  中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成
   (1)一般の中小企業退職金共済制度に係る掛金助成
   (2)建設業退職金共済制度に係る掛金助成
   (3)清酒製造業退職金共済制度に係る掛金助成
   (4)林業退職金共済制度に係る掛金助成

これだけの種類がありますので、事業主の方が自社に適した助成金を探すのは正直なところ困難かと思います。

事業主以外で助成金の申請ができるのは、社会保険労務士(社労士)です。社労士は代理人として申請を行うことができますので、社労士に相談し自社に適した助成金コースを選択肢、申請手続きを代行してもらうのが一般的といえます。