最低賃金引き上げて使える助成金

毎年10月に最低賃金が確定します。

中小企業の経営者様にとっては、
頭を悩ませる季節かと思います。

今年の10月にも最低賃金の改定がなされますが、
その賃金改定前に申請するのがお得となっています。

そんな最低賃金のアップにあわせて活用できる助成金
「業務改善助成金」を詳しく説明していきましょう。

業務改善助成金とは?

業務改善助成金とは、
生産性向上に資する設備投資等(※1)を行うとともに、
事業場内最低賃金を一定額(※2)以上引き上げた場合、
その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。

※1  設備投資等:
 機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練

※2  一定額:各コースに定める金額

つまり、

・生産性向上のための設備投資を行う
・業務改善のためのコンサルティング
・人材育成に係る研修
  +
・事業場内最低賃金の一定額以上の引き上げ
(事業場内で最も低い賃金を一定額以上引き上げる)

上記の内容を実施することで、
設備投資などの費用の一部が助成されます。

助成上限額とコースについて

助成上限額は以下のとおりです。

引き上げる最低賃金額、
及び引き上げる労働者の人数によって
助成上限額が変わります。

引上げのルール

下図は事業所内最低賃金を30円引き上げた場合の例です。
引き上げ人数は2名とカウントされます。

まずAさんの事業所内最低賃金が、
900円から30円引き上げられています。
その結果、新しい事業所内最低賃金は930円となりました。
=>基準を満たしていますので対象者です

Bさんは20円引き上げられ、新しい事業所内最低賃金より
多い、940円となりました。
=>20円の引き上げだけでしたので、対象者ではありません

Cさんは30円引き上げられ、新しい事業所内最低賃金より
多い、950円となりました。
=>30円引き上げられましたので、対象者となります

Dさんは、930円から30円引き上げられています。
=>しかし、既に新らしい最低賃金の額より上でしたので
対象者とはなりません

上記画像は、厚生労働省HPより引用
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html#h2_free10

業務改善助成金が拡充されました

令和5年8月31日付けで、
業務改善助成金がの拡充が発表されています。

拡充のポイント

①対象事業場の拡大

従来:事業場内最低賃金と地域別最低賃金の
   差額が30円以内の事業場

拡充後:事業場内最低賃金と地域別最低賃金の
   差額が50円以内の事業場

②賃金引き上げ後の申請
<対象>事業場規模50人未満のみ

従来:
必要な手続き:事前に以下2つの計画を提出
• 賃金引き上げ計画
• 事業実施計画(設備投資等の計画)

拡充後:
2023年4月1日から12月31日
までに賃金引き上げを実施していれば、
賃金引き上げ計画の提出は不要

以下の書類の提出は必要です
• 賃金引き上げ結果
• 事業実施計画(設備投資等の計画)

(申請の注意点)
令和5年10月から順次発効される
地域別最低賃金の改定額に対応して
事業場内最低賃金を引き上げる場合、
発効日の前日までに
引き上げておく必要があります。

令和5年度の申請締切は
令和6年1月31日です。(郵送の場合は必着

お問合せ先、申請窓口については、
厚生労働省HPをご確認下さい。