助成金を利用するメリット

始めに助成金を利用した場合のメリットについてみていきましょう。

事業外の収益を獲得できる

助成金は本業とは関係のない収入として会社(事業所)に入ります。そして雑収入として仕訳しますので、経常利益が好転します。

厚生労働省の助成金制度は継続的におこなわれていますので、あらかじめ準備しておけば、計画的に活用することができます。

事業計画が策定できる

厚生労働省の助成金のように公的機関の支援を受けるには、会社としての計画を立て提出していく必要があります。

厚生労働省の助成金の中には、人事評価制度や従業員の教育訓練計画の策定が必要な制度があります。そのため就業規則の策定や更新が必要となります。

その結果として、これまで整備できていなかった計画や制度を新たに作成したり、見直しするきっかけとなります。

従業員満足度の向上が図れる

中小企業や個人事業では、人事評価制度や将来的なキャリアパスが明確になっていない会社(事業所)が多いのが実状ではないでしょうか。

厚生労働省の助成金を活用すれば、従業員が働きやすい環境を整えることができます。

評価制度等の労働環境を向上させる制度を導入したり、従業員の教育訓練を充実することで魅力ある労働環境を整備することができます。

その結果、人材採用のしやすさにつながり、離職率の低下にもつながるでしょう。

社外向けのPR材料にもなる

補助金や助成金を獲得することは、公的機関の審査を経たという証であり、社会的信用にもつながります。

というのも助成金を得るための手続きに必要な事務処理や、計画の立案、そして申請した計画通りに進める業務遂行能力が会社に備わっているということが言えます。

助成金を利用するデメリット

次に助成金を利用した場合のデメリットをみていきましょう。

本業に影響がでる可能性が

助成金に対する取り組み方は、決してお金のためではなく、本来やりたかったことを加速するために活用するものと捉えることが大切です。

助成金のために、新たに雇用したり、制度導入のために就業規則を変更すれば、将来的に影響が残る場合があります。

助成金ありきで、事業の方向性と違ったことを行うと、本来の事業の予定がゆがんでしまうことにもなりかねません。

手間・コストがかかる

助成金は前払いではありません。実際に支給決定し入金されるまでに、場合によっては1年以上もかかるケースがあります。

ですので助成金が入金されるまでの経費やコストは、自社で負担する必要があるのです。また助成金の申請のために書類を作る時間や、制度について調べる時間も手間もコストがかかっているのです。

条件や内容の変更がある

厚生労働省の助成金の受給要件は、予告なく変更されることが度々あります。予算が消化される中で支給額の減額や、終了したりすることもあります。

ですので利用しようとする助成金の動向を常にウォッチしておく必要があります。

以上のデメリットを知った上で、助成金を活用することが大切です。

もっと大きな利点があります!

助成金の収入を得ることで、もっと大きな利点があります。助成金の収益効果をみていきましょう。

例えば、あなたの会社が「年商1億円で、仕入れ・人件費・販売管理費・一般管理費・支払い利息を差し引いて500万円の経常利益がでた」とします。

この場合、売上に対する経常利益の比率(売上高対経常利益率)は5%ということになります。

つまり500万円の経常利益を出すには、1億円の売上げが必要ということです。この比率が変わらないものとした場合、100万円の経常利益を増やそうとした場合は、2000万円の売上げが必要ということになります。

実は助成金で100万円の支給を受けるということは、2000万円の売上をあげるのと同じ利益効果があるということになります。(助成金は雑収入として処理され経常利益に加わります)

どうでしょうか?あなたの会社で新たに2000万円の売上を上げる場合、現在の製品や商品を何個売ることになるでしょうか?

そのために営業を強化し、販路を拡大したり、新しいお客様を獲得するなど大きな労力が必要となり「すぐできる」という訳にはいかないのではないでしょうか。

助成金を活用することで、従業員の労働条件・職場環境の改善ができ、従業員の満足度が上がり働く意欲がでます。離職率を防止するだけでなく、意欲ある従業員の働きは会社経営を好転させることでしょう。

公的支援である助成金のことを知らずに、適用できるのにらえていない会社が多いのが実状です。雇用保険を掛けている事業所であればもらえる公的資金なのです。経営へも大きなインパクトがある助成金を、是非活用して下さい。