事業主の皆さんは、補助金、助成金の言葉を耳にされたことが有るでしょう。また実際に申請し、補助金や助成金を受給されたことが有るかも知れません。
でも助成金と補助金の違いは?と尋ねられた場合、明確に答えられるでしょうか?
どちらももらえるお金なのですが、ここで一度おさらいをしておきましょう。
まず呼び方は助成金であったり、補助金と呼ばれたり、いずれも間違いではないのですが、こんな違いがあります。
目次
助成金と補助金の違いとは?
助成金は主に厚生労働省管轄の制度であるのに対し、補助金は主に経済産業省管轄(中小企業庁)でどこが出しているかが違いです。
つまり助成金と呼ばれるものは大別すると厚生労働省の雇用関係の助成金と、経済産業省の補助金ということになります。
補助金は事業計画などを提出し、競争を勝ち抜いた事業者に予算の範囲内で支給されることが多く、助成金は支給要件を満たせば、その事業者全てに予算の範囲で支給されることが多いのが特徴です。
申請条件からみた場合、補助金は役員だけでも申請が可能ですが、助成金は雇用保険に加入している従業員が1名以上いないと申請することができません。
厚生労働省の雇用に関する助成金とは?
主に厚生労働省が支給する助成金の種類は30〜40種類(年度により変更あり)あります。助成金の対象は、新規雇用や定年延長、働き方改革に伴う残業時間の上限設定、有給取得などがあります。
公募は随時受け付けられており、支給額は数万円から最大1400万円程度となっています。受給時期は申請認定後で、支給決定通知を受けた申請はすべて受給できます。
支給されたお金は返済の必要はありませんし、また使途も定められていませんので、自由に使うことができるお金ということになります。
この助成金は雇用保険の一部が財源となっており、雇用保険に加入する事業所が対象です。ただほぼ全ての企業は雇用保険の加入が義務付けられていますので、滞納が無い限り支給条件を満たすでしょう。
経済産業省の補助金とは?
一方、研究開発型の助成金は経済産業省や外郭団体の事業で、およそ3000種類以上と言われています。助成の対象は、開発費、外注加工費、市場調査費、コンサルティング費、販促費等の費用となっています。
公募は年1・2回で500万円〜5000万円が中心で最大1億を超える助成金もあります。受給時期は研究開発実施後となります。また書類審査と面接があり競争倍率は10〜20倍で、最終審査に残った会社に支給されます。
つまり助成金を受給するまでに投資が必要で、公募期日までに申請し、最終審査に合格しなければ受給できません。必ずもらえるものでは無いということですね。呼び名は助成金ですが審査が必要ですのでこちらは補助金ということになります。
いずれの助成金にしても、該当・非該当の判断、申請手続き、公募期日などをしっかりと把握した上で手続きを行う必要があります。
まとめ
経済産業省の補助金でも、厚生労働省の助成金のいずれでも、事業に適したコースを選定し、申請にあたっては申請の締め切り期日、対象となる措置などを考慮し手続きを進める必要があります。
・給付に対し審査があるもの・・・補助金
・要件を満たせば必ず給付されるもの・・・助成金
・補助金・助成金ともに返済義務はない