中小企業が賃上したら最大40%の税控除も

2021年12月7日付で、「政府・与党は、企業に賃上げを促すための税制優遇を拡充する方針を固めた」と報道発表がありました。

中小企業の場合、非正規を含む全従業員の給与総額を2・5%以上増やすなどの条件を満たした場合、増加分の最大40%分を法人税から差し引くことができる仕組みとなる模様です。

2021年4月に開始された現行の「賃上げ税制」では、中小企業が全従業員の給与総額を1.5%増やした場合、増加分の15%分を法人税の納税額から差し引くことができます。

※現行の最大控除率は大企業が20%、中小企業は25%に設定されています。

この見直し案が承認されれば大幅に制度が拡充されることになります。

新たな措置は、これまでの仕組みを基本的に維持しつつ、2.5%以上賃金を増やした場合、あるいは1.5%以上増やして社員教育を充実させた場合に、控除率を40%に引き上げるというものです。

この賃上げ税制により、賃金が上げることにより消費を喚起し、お金が消費に回ることで企業側収益をアップさせ、さらなる賃上げにつながり、好循環を生むとの狙いがあります。

現時点では速報ベースで、確定は10日の2022年度の「与党税制改革大綱」に盛り込まれてからとなりますので、注視しておく必要があります。

使える助成金は?

今回のポイントは「非正規を含む全従業員」とあります。新しい賃上げ税制の適用を受けるには、雇用するすべての従業員の賃金を1.5%アップさせる必要があります。

加えて、減税の条件として社員研修も実施すれば、より大きな法人税減税を受けることができます。

そこで使える助成金としては、「キャリアアップ助成金の正社員化コース」、人材開発支援助成金が想定されます。

賃金アップを計画する場合、賃上げ税制の導入前に、助成金活用も検討しながら計画されてはいかがでしょうか。