全国加重平均1000円を目指す最低賃金

最低賃金は毎年10月頃に引き上げられます。

2019年10月で大阪の最低賃金は964円となりました。昨年度の936円から28円で約3%の引き上げが実施されました。

東京都は1013円、神奈川県も1011円と、ついに1000円を超えました。
毎年約3%の引き上げですので、大阪も2年後には1000円を超えるでしょう。

↓↓↓令和3年の最低賃金に関する記事はこちら

最低賃金の対象者

最低賃金制度は、パートタイマー、アルバイト、臨時・嘱託などの雇用形態や呼称に関係なく、働くすべての人に賃金の最低額が保障される制度です。

最低賃金の対象となる賃金とは

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。

実際に支払われる賃金から一部の賃金(割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当など)を除いたものが対象となります。

最低賃金の周知義務

使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者の範囲、及びこれらの労働者に係る最低賃金額、算入しない賃金、並びに効力発生年月日を常時作業場の見やすい場所に掲示するなどの方法により周知する必要があります。

また最低賃金額以上の賃金を支払わなかった使用者は、50万円以下の罰金が課されます。

最低賃金の引き上げに向けた助成金

最低賃金、賃金引き上げに向けた生産性の向上を支援する助成金が設けられています。

業務改善助成金

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の業務の改善を国が支援し、従業員の賃金引上げを図るために設けられた制度です。

生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対して、その設備投資などにかかった経費の一部が助成されます。

対象となる事業場

大阪の場合は、事業場内最低賃金と地域別賃金の差額が賃金の差額が30円以内、および事業場規模 30人以下の事業場が対象となります。

必要な措置

事業場内最低賃金を 30 円以上引きげ、 設備投資(機械設備、 POS システム等の導入)などを行います。そしてその費用の一部が助成されるものです。

業務改善助成金 助成事例

建設業:ミニ油圧ショベルの導入

掘削に費やす作業時間が4~5日から2~3日に短縮されるようになり、作業効率が大幅に改善され、工期の短縮や労働負荷の軽減に繋がっている。また従業員の士気の向上、仕事の質の向上が見られ、今後も賃上げの評価基準とすることができる。

食料品製造業:就業管理システム導入(就業管理ソフトウェア・ ICタイムレコーダーなど)

勤怠管理業務時間を削減することができ、当該削減時間を出荷及び包装作業に配分することができ、物流センターの作業効率の改善が確認できた。

靴・かばん小売業:バーコードリーダー 商品管理システムの導入

商品管理及び在庫管理を自動でできるようになり、時間の短縮及び正確な集計ができた。また、在庫管理から自動で商品発注ができ、発注時間の短縮になり労務効率の向上につながった。

助成額

最低賃金が800円以上の場合

コース 引上げる労働者数 助成上限額 助成対象事業場 助成率
30円コース 1〜3人 50万円 事業場内最低 賃金と地域別賃金の差額が 賃金の差額が 30 円以内、及び、事業場規模 30 人以下の事業場 3/4

生産性要件を満たした場合は4/5

4〜6人 70万円
7人以上 100万円

30円以上引き上げる労働者数によって助成上限額が変わります。
「人材育成・教訓練費」経営コンサルティグも設備投資などに含まれるため、 助成対象となります 。他の助成金では、キャリアアップ助成金も活用できるでしょう。

年々上がる最低賃金により、何か手を打たなければ人件費の負担が増すばかり。人件費を売上げアップで捻出するのも簡単ではありません。こんなときこそ助成金を活用し、人材確保、離職率低下を維持することが最善の手段ではないでしょうか。