多くの会社が利用している助成金

厚生労働省の助成金を活用して労働環境の整備を行いたいと考えていても、助成金の申請方法や、どのような措置を講ずれば良いのか判らないという事業主の方も多いのではないでしょうか。

いつまでも手付かずのままで、助成金を活用するには至らないというジレンマに陥ってしまっていないでしょうか。

そして労働関係の助成金コースが複数ありますので、どの助成金コースが自社に適用できるのかが判らないという場合も多く見受けられます。

そんな助成金の中でも、多くの会社で適用でき、活用されているキャリアアップ助成金のコースを紹介していきます。

キャリアアップ助成金の7つのコース

通年で申請可能な助成金のコースで、取り組み内容によってコースが7種類あります。
(金額は中小企業の場合の基本額)

正社員化コース

有期契約労働者等を正規雇用等へ転換または直接雇用した場合に支給される助成金。例えば有期契約労働者を正規雇用へ転換した場合は、1人あたり57万円が助成されます。

賃金規定等改定コース

有期契約労働者等の賃金規定等の増額改定により賃金の引上げを実施した場合に支給される助成金。
1事業所あたり、対象者が7〜10人の場合28万5千円が助成されます。

健康診断制度コース

有期契約労働者等に法定外の健康診断制度を導入した場合に支給される助成金。
1事業所あたり38万円が助成されます。

賃金規定等共通化コース

正規雇用労働者と共通の賃金規定等を導入した場合に支給される助成金。
1事業所あたり57万円が助成されます。

諸手当制度共通化コース

正規雇用労働者と共通の諸手当制度を導入した場合に支給される助成金。
1事業所あたり38万円が助成されます。

選択的適用拡大導入時処遇改善コース

500人以下の企業で社会保険の適用拡大を実施し、短時間労働者を新たに社会保険に加入させると同時に賃金引上げを実施した場合に支給される助成金。
基本給の増額割合に応じて助成額も異なりますが、3%以上5%未満では1人あたり29000円が助成されます。

キャリアアップ助成金のポイント

前述の様に7種類のコースがありますが、有期契約労働者を雇い入れている事業所であれば、正社員化コースが適用できるのではないでしょうか。

有期契約労働者を正規雇用へ転換した場合、1人あたり57万円、あるいは有期から無期雇用への転換であれば28万5千円の助成金が支給されます。

就業規則・労働協約へ転換制度の導入を行い、対象者を転換する措置を実施すればもらえますので、実施は比較的容易な助成金コースではないでしょうか。

次に適用しやすいコースは、健康診断制度コースではないでしょうか。この助成金は1事業所で1回のみの支給となっています。

有期契約労働者、無期雇用労働者に対して法定外の健康診断が受診できる様に、就業規則に制度導入したのち、のべ4人目の健康診断が実施できれば良いのです。
※正規雇用労働者の健康診断は法律で定められています(法定内での健康診断)。

さらにキャリアアップ助成金は生産性要件が適用されていますので、生産性要件を満たせば、支給額が割り増しされます。

正社員化コースの、有期→正規の転換では一人あたり72万円が助成額となっており、約26%の増額です。

助成金を申請する場合の注意点

厚生労働省の助成金をもらう場合の、共通の要件として大切なことは、会社都合での解雇があると対象外となり、一定期間の間は助成金の支給対象外となりますので、注意が必要です。

まとめ

他の助成金コースと比べると比較的もらいやすい、キャリアアップ助成金のコースを紹介してきましたが、実際に計画し申請書類を提出するとなると手が止まってしまうものです。

加えて助成金の内容や支給要件は、たびたび変更されることが多くありますので、事業主だけではハードルの高いものとなっています。

厚生労働省の助成金は社労士のみが代理で申請できますので、まずは社労士の方に相談されるのが近道ではないでしょうか。

ただし、社労士といえども、すべての業務ができる訳ではありません。助成金に精通した社労士でなければ対応できない場合がありますので、大阪で助成金をもらう場合には弊所へご相談下さい。